台風はきれいにそれてくれました!
いよいよ本日がスティーブさんジャパンツアー2013年最後を飾るおおきなおおきなコンサート。
2時間1曲!ノンストップ・インド音楽!
とテンション高くぶちあげたアキラジープレゼンツのこの企画、実はスティーブさん、本番10日前まで何も知らなかったのです。
関東へやってきて、くつろいでお話をしてるときになんとなくその話題が出て、え?なんですかその話?みたいな感じで。
二時間ぶっとおしで同じラーガを演奏する、それも、即興インド音楽ゆえの、いつのまにかそうなってしまった、というのではなく、あらかじめ決められた時間の中で、一つのラーガを完結させる、というお題のもとに演奏する、という、今までスティーブさんも経験したことのないテーマのコンサート。
さてはてどうなってしまうのか、と思っておりました。
しかし、そんなことを考え、シュミレーションしたりする時間はまったくありません。東京へおりたってからというもの、ほぼ休みなくステージの上で演奏を続けていたのですから。
そしてスティーブさん、演奏のとき以外、ほとんど楽器に触ってませんでした。
なにげない日々の会話のなかで、ときおりその、最後のコンサートの話をすることがありました。でも、本当に、たくさんのやらなければならない目の前のものの後ろにどうしても隠れてしまう、しかし遠くになんとなくその影が見える、、、そんなふうにカフェスローでのコンサートの存在は東京公演の間中、ひっそりと遠くでゆれていたのです。
怒濤のコンサートをこなし、最後のステージのある、国分寺におりたち、そしていつものように静かに、短いご挨拶をすませ、二時間一曲コンサート、最初の音が会場に響きました。
Raga Darbari Kanada
スティーブさんは、どんなラーガを演奏するときも、このラーガで表現しているのは
愛、慈愛、祈り
だと言います。どんなラーガのときもです。
手あかのつきまくったこれら三つの言葉は、スティーブさんの音のなかで再び美しい本来の輝きを取り戻します。
言葉は記号なのです。音の中でそれがどう輝くのか、それはその音を紡ぐ人間の本当の心のありようにゆだねられます。
哀しくもないのに涙がとまらなくなる
観客の心に痛く優しくつきささるスティーブさんの音は、言葉を越えた荘厳さをたたえているのです。
カーンサーハブへの献身的な愛
自我を越えた音はどこまでも広がるんです。どこまでも深くしみこむんです。
この日この時間をシェアした人たち。スティーブさんは、自分の師であるカーンサーハブの音楽をたくさんの人と分かち合いたい、そういつも言います。
スティーブさんのそんな思いのこもった音の輝き、深く美しく、そして孤高の輝きを、強い輝きを、ときに哀しみを強くたたえた輝きを見るにつけ、感じるにつけ、どうしようもないほど心の琴線が震えます。
なにか本当に奇跡的なものを目撃してしまったような時間でした。
そんなスティーブさんの音を、注意深く見つめ、支える絢子ちゃんの優しくて強いタブラ、素晴らしかった。演奏後ステージ上で涙をながした彼女の姿がまた感動的でした。
今回の企画をしてくれた井生明氏、本当にどうもありがとうございます。あきらじーの強い思いがこの企画をこんなにも温かく感動的なものにできたのだと思います。それから素晴らしい写真もありがとう!
心のこもったおいしい食事と空間を提供して下さったカフェスローのみなさま
スティーブさんのコンサートのためにお手伝いをかってでてくださったインド音楽チーム、みんなみんな本当にありがとうございました。
誰にでもどんなときでも深く深くこうべを垂れるスティーブさん、スティーブさんが腰を低くすればするほど、スティーブさんにプラナームしたいと思う人が増えてゆくんです。
ああ本当に今回のジャパンツアー終わってしまいましたが、また来年に向け、新たな展望をいだいております。きっときっとみなさん、来年も素敵な形でスティーブさんを迎えられるよう、期待してまっていてください。
Photo by Akira Io
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